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言葉の恐怖

「人間は、みな、おなじものだ。」

雨の降る金曜日朝イチの授業、大遅刻して入室した教養科目
「戦後の日本とアメリカ」の授業では、太宰治を通じて
敗戦後の日本の虚無感をとらえる、とかそんなかんじの授業をしていた。
遥かかなた前方では気の弱そうな教授が一生懸命はなしてるけど、
半分しか埋まっていない大ホール教室のそのまた半分以上は爆睡。
こりゃ~つまらない授業なんだろな・・・退室しよっかなと思った矢先に
耳に入った言葉だった。

「人間は、みな、おなじものだ。」

太宰は、この言葉で作中の登場人物の一人を殺した。
どんなに努力をしても、あるいはどんなに怠慢であろうと、
どんなに醜かろうと、あるいはどんなに美しくあろうと、
それらはすべてこの言葉によって均一化され、同一化される。
多様性を一蹴し、差異の尊厳を抹殺する言葉。
この言葉により、努力によってにじみ出た血と汗は凍てつき、
腐敗臭を漂わせる堕落は正当性を持つ。

「人間は、みな、おなじものだ」

太宰は言う。
「マルキシズムは、働く者の優位を主張する。同じものだ、などとは言わぬ。
民主主義は、個人の尊厳を主張する。同じものだ、などとは言わぬ。」
(『斜陽』より抜粋。)

かつて戦時中には同方向に向かっていたはずの大きなエネルギーが
行き場を失い、跡形も無く蒸発していった時代に生きた太宰。
彼が3度も別れを告げようとした世の中は、この言葉に象徴される
空虚感に覆われていたのだろう。

身震いをするくらい、この言葉に恐怖を抱いている自分に気がつき
自分がどれだけ多様性、言い換えれば、個人の特別性に価値をおいているのかが、
よく解った。
そしてこの悲しい認識は、「私って他の人とちがうんだから」と
エバリ散らす自分の安っぽい自己主張を相当に萎縮させた。

「人間は、みな、おなじものだ。」


私には、この言葉に、真っ向から反抗したい生への執着がある。
私は、ちがう。
あなたと、ちがう。

でも、それだけのことだ。
特別じゃ、ない。
by akkohapp | 2004-10-12 01:08 | 花鳥風月

Thank you

またひとつ年を重ねてしまいました。

去年までは赤の他人だったのに、心のこもったメールをくれる新しい友達、
まだピラピラのスカート履いてた小学生の頃からの古い友達、
絶対に日付が変わる瞬間にメールをくれるジャカルタ時代からの友達、
私を22年前に生んだ母、今はジャカルタにいる父、
いつのまにか深夜までバイトをするくらい大きくなった妹、
まだまだランドセル背負ってる可能性に満ち溢れているちっこい妹、
そして
ここ五年、日付が変わる瞬間は絶対に電話でつながっていてくれる大事なひと、

私がこうして元気に年を重ねてこられるのもみんなのおかげです。
ありがとう。

22歳の私もよろしく!!
by akkohapp | 2004-10-04 13:49 | 特別な日