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録。


by akkohapp
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楽団の仲間達III:アゲアゲ(yo!)

【*楽団の仲間達I からの連載です。ドラッグしてIからどうぞ。】

なんとか事態を修復しようと、わが身を献上したのは
日本風居酒屋渋谷店店長(37歳)(推定。)

「学生注ーーー目!!!」ばりに声を上げて
「あてんしょん・ぷりーーーず!!!」と唱える。
「今日はご来店いただき・・・」の云々の後に
「本日は皆様とのご親睦を深めたく、ある一つの儀式を
取り仕切らせていただきたいと思います。」

水を打ったように静まる会場。
一体これ以上どのような恐怖が自分達を待ち構えているのか・・・・
まさに、「まな板の上の鯉」状態のアメリカ勢を前に、
結審は下された。

要するにだ、一升枡から日本酒を飲めと。

金箔の「寿」が刷り込まれた一升枡の中には
鯛のお頭が沈んでいる、
なみなみと注がれているのは、そう、噂の
"SAKE" (サキィ、と発音する)である。

この怪しげな魚の頭は何なんだ!!
大体SAKEって何からできてるんだ!
え?!riceからできてるの?
riceにどんなchemicalを加えたらこうなるわけ!?

様々な疑念が学生達の脳裏によぎる。
そうこうしているうちに、枡はテーブルの端から無慈悲にも回ってくる。

どうしよう どうしよう どうしよう


不安が最高潮を迎えたときに、突如始まったのは
「チャ・チャ・チャ・チャ・チャ・チャ」
のコールである。
日本人なら誰もが馴染みのある、
そう、あのコールである。
気を利かせた店員が始めたのだが、会場は一気に大盛り上がり!!

もちろん全員総立ちで、throw your hands up, yo!
ってなもんである。
ついには「チャ・チャ・チャ」の合間に
"yo" "yo" と合いの手が入るようになり
何故か完全にHip-Hopに転換されたコールの中
一升枡は楽団の仲間達によって、空にされたのである。
「チャ・チャ・チャ・YO!チャ・チャ・チャ・YO!
チャ・チャ・チャ・YO! チャ・チャ・チャ・YO!YO!」


店長、身を献上した甲斐があったよね、良かった・・・


Sakeにすっかり気分を良くしたアメリカ勢は、
大量に残った日本食に何の未練も残さずに
日本風居酒屋渋谷店を去った。
「いや~酷い目にあったな!」とか言いながら
結構皆さん楽しまれたようで、良かった良かった。



【完】
by akkohapp | 2005-05-01 01:10 | race and ethnicity