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<   2007年 11月 ( 5 )   > この月の画像一覧

3年

眠くて眠くてたまらない11月の夜の暮れ。
もうベッドに入って、明日着てゆくシャツにアイロンをかけている夫の背中を見ながら
ウトウトしかけていたら、ラジオから懐かしい曲が流れてきた。
あ、好きな曲だ、と思ったのと同時に
トロトロと彼に話す。

この曲を好きだった私の友達、突然亡くなったんだよねぇ。

え?突然?原因は?と聞き返す彼。

うん、よく分からなかったけど、眠ったまま、ある日突然。

東西から友達が集まって、皆で新幹線に乗ってお葬式に行ったのだ。
雲ひとつない青空と、読経の声があまりにもミスマッチだった。

ちょうど、この時期だったよそういえば、と話す声と
アイロンのスチームのコォーという音が重なる。
安心する音だ。

ちょうどこの時期、と自分で言ってみてあまりにも気になって
自分のブログにアクセスしてみる。

きっかり3周忌だ。
一日もブレずに、この日だった。

何か伝えたかったんだよ、と3年前には出逢いもしていなかった夫が言う。

過ぎ行く時間と、伸び行く時間、
時に重なり、交わり、また線を延ばす。


これからも、見守っていて下さい。


Seize the Day
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by akkohapp | 2007-11-20 14:11 | 大切な人

Autumn in New York

アメリカの秋は日本のそれよりも
ずっとダイナミックに、力強く訪れる。
それは巨大なスーパーマーケットに色とりどりに並ぶアイスクリームのようで
街路樹ですら添加物でも入っているのかと思うほど色鮮やかだ。
そこにまた、東京のそれとは同じものと思えないような
広大で色の深い空の色が映る。
新しい携帯を買って、画面がワントーン明るくなったような、そんな秋を向かえている。

特にこれといった用事がなくても、やはりマンハッタンに出ると
新しく感じる何かがあり、驚いたり、疲れたり、微笑ましい光景を見つけるたびに
しばらく使ってないなかった心の筋肉がもう一度動くようだ。

人との距離が遠くて近いこの国では
地下鉄に乗っていて、他人だと思っていた人同士が
通路を挟んで突然親しげに会話を始めたりして
そうか、知り合いだったのかと思うとやっぱり他人だったりするようなことが
当たり前で、そんな自分にも突然投げられる変化球を拾っては返すことが楽しい。

東京で会った人とも、ニューヨークで会うと全然違った歩き方やそぶりをしていて
ふと自分もそんな風になっているのだろうかと思ったりする。

バスで隣に座っている人と、自分の生き方の色が比較にならないほど離れているこの国で
どこかでそのの色の範疇の中に他人の色を組み入れて、自分と重ねてゆく作業は
どれだけ際限がなく、果てしないようでいて、可能性に満ちているだろう。
決して交わることはできないようでいて、いくらでも変化することはできる。
できる、というか、しなければ生きてゆけない、この街では。

パキスタンでの暴動のニュースが、毎朝トップニュースとして取り上げられる。
パキスタンの地理も、首都の名前もムシャラフの名前もまったく知らないだろうと
アメリカ人をバカにしていても、ニューヨーカーは違う。
ブルックリンには多くのパキスタン系の移民が住んでいて
彼らも地下鉄に乗り、ミッドタウンあたりのオフィスで仕事をする毎日を営んでいる。
隣に住んでいる人は、インド系のように見えたけれども、
そういえばパキスタン系かもしれない。
そんな、世界が混在し、様々な故郷の顔を持つ人がすれ違うこの街では
自分だけの色の中で生きてゆくのは自分を守る術を知らないということだ。

そんな、交じり合い、でも中々溶け合わない中にいると
溶け合っている人との守られた家がどれだけ大切に思うことか。

本当はまだまだ溶け合ってなんていなくて、どこまで入れられているのかも
分からないのに、それでも許しあっている友達や家族、
ちゃんと自分の通り道が開いている人の存在が
浮き立つように分かる国だからこそ、大切に思う。守ろうと思う。

ニューヨークは深い秋の中だ。
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by akkohapp | 2007-11-09 22:38 | 花鳥風月

Gotanda Graduation

ようやく、終わって、擦り切れてテカテカになったスーツを着ない朝が来る。

ニュートラルな自分に戻ってみると
いかに色んなものを抱えて走ってきてたかが分かって
長距離ダッシュしてきて、ゴールした後にすごい息切れと一緒に
大声で泣きたいみたいな気分だ。

たくさん私の涙を吸い込んでくれたベッドもシーツを剥がして
ダサいマットレスがむき出しになってみると
なんか可愛らしい。
で、このダサいマットレスの上で最後にわんわん泣いて
この部屋を去る。

70人の男性の中で、総合職の女ひとり、男みたいに働いたつもり、
だけど全然男にはなれなくて
感情の波に振り回されず、一歩引いてしまう逃げが全くない彼らを
ひたすら凄いと思っていた。
凄い、って凄惨、っていう字にも充てられるくらいだから
本当にすごい。

11時の電車の中で昨日と同じ擦り切れたスーツを
毛布にして一時間眠りこける彼ら、
家族に指摘される最近薄くなった頭を気にして
お酒の場では血圧やメタボ指数を気にしながらもやっぱり唐揚げが外せなくて
鼻の頭に汗を浮かべて
やれなんとか部長、なんとか次長と肩書き順にEメールのあて先を並べることが大切で
そして夜の12時からは娘の幼稚園受験の願書を取るために校門の前に並んだり
接待ゴルフ、マージャン、風俗、全部全部こなす彼ら、
彼らこそ本当の男たちで、私を守ってくれた本物の戦士だった。

・・・と思う。


男みたいになんて働かなくて全然良かったのに
それもそれで70人の男性を周囲に
女性らしさも保ちながら、タフに働くのはなかなかの上級テクが必要だったんだと思う。

できなかったなぁ。
壊れたよなぁ。

職場から去った今、何がしたいかって
華やかな色のカーディガンを着たい。
スカートを履きたい。
髪の毛をもっと伸ばしたい。
猫みたいに撫でてもらいたい。

ホントはジーンズとTシャツが一番好きで、
髪の毛だってずっと短かった。
だから相当溜まってたんだと思う、
女になりたい欲求が。
オネエみたいだけど、マジだ。

振り返れば振り返るほど反省ばかりだ。
毎日会う周囲の人を大切にすることが
いちばん大切でいちばん難しいんだ。

でも、これはこれで良かった。

ガサツ街道まっしぐら、女放棄一年半、
でもメタボ戦士たちに可愛がられ
自分と一緒に悩む若手の同僚に支えられ
ものすごい人間ドラマをお腹いっぱいかき込んで
満腹になったところ。
栄養もついたことだから、ちゃんと体内に行き渡らせて
これから会う未知の人たちに分けられることができますように。
これまでに支えてもらった人たちに、お返しすることができますように。


So....what's comin NEXT????
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by akkohapp | 2007-11-02 12:08 | 大切な人

結婚しました

3月はまだ寒く、暗く、書いたものをここに載せる自信もなく
フォルダーに残したままの文字でしたが、
決心は溶けることはなく、
9月30日、無事入籍しました。

今後ともよろしくお願いします。
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by akkohapp | 2007-11-02 12:03 | 大切な人

3月19日

3月も半ばだというのに、暗くなった帰り道の坂を北風かすごい速さで私を追い越してゆく。
合わないヒールの足が痛い。NYはまだ明け方の6時だ。

電車の中で携帯のメール送信履歴を読み返してみたら、
送ったメールのほとんどが英語だった。
こんな小さな機械から送られた文字が、
軽々と海と時差を超えてあの大都会に住む彼の元へ届くというのに、
自分はこうして今日も疲れた顔を乗せた電車の一部になっているだけだ。
現実的なところ、パスポートの有効期限も切れている。

考えてみれば、いつもいつも時差の向こうにいる誰かのことを想っている。

最近の民族論の中には、民族の記憶、という新しいカテゴリーが生まれたらしい。
同じ風景を見、同じ文化、同じ時代を共有した者は同じ記憶をたどる、という。
ものごとに対して、光を当て、記憶としてとどめておく箇所が一緒、ということか。

自分にはそういう光の焦点が定まらず、地球のどこかが夜の時、その反対側は朝、
という生き方をずっとしているような気がする。
隣の芝は青い、よりももっと強いその距離を隔てるものへの執着は、
気がつけば私の中に根を張って、こんなにも大きく立派な木になってしまった。

記憶が始まってからの私の人生は、いつも一つの国の内と外があり、
そういえば天気予報も、時報も、ニュースも、いつも二つの国のものを見ていた。
半そででアイスクリームをなめながら、
12月の東京の地図の上に雪だるまマークがつくのを見た。
アイスクリームが涙の熱さで溶けていた。
Nyの美術館では、込み合う渋谷駅の写真を見て、
ものすごい慕情と一緒にそこから20分離れられなかった。
そして今は、ただただ13時間の時差の中で眠る彼の肌色を思い出し、
その中に溶けられればいいのに、と思っている。

本当の本当のダブルスタンダードで生きると決めることは、結構な決心と覚悟が必要なものだ。
アイデンティティーも、言葉も、見る風景や、ファッション、人との距離のとり方、
全部がバラバラな中で、どんなスタンスで生きてゆくか。
そのバランスをとるのには、結構オトコマエでかつエレガントな決心が必要だと思うのだ。

けれども、そんな潔く、繊細な決心の中で、私はいき続けてゆきたい。
そんな二つの車線を、愛車を転がしてずっとずっと海まで、砂漠まで、森まで、走りたい。
疲れたら彼に運転してもらおう。
そうやってずっと、一つの道よりも、二つの道から、もっとたくさんの場所から、
風景を見えることを楽しみながら、私は私の道を刻もう。
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by akkohapp | 2007-11-02 12:02 | 花鳥風月