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うがうがうごうご
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by akkohapp | 2005-07-29 19:54 | M&A Camp

情緒も何も無い

7月の舞台、新登場人物が多すぎて目が回る。

しかもみんな上座から出てきたと思ったら
あっというまに下座へ去ってゆく。
ちっとは舞台中心でじっとできないもんなのか。
心に残る名場面や名台詞の一つや二つ決めてみろってなもんだ。


暇だとこういうことになるのか。
でも若くて時間ある時しかこんなことないから、
(多分)
まぁたまにはいいか。
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by akkohapp | 2005-07-25 17:39

ここではない、どこかへ


今日はずいぶん静かだね、って何度も言う。

案外人のことが見えるコなのかなと思った。
確かに、最初はあんなに心臓からはみ出してたものが
どんどん無くなって、
ずいぶん静かな心で殺風景な部屋を眺められるようになった。
だからこそ、たくさん声に出して言葉を交わせるようになったというのに
静かだね、だなんて言う。

前回からギリギリ一週間経たないうちに会ったら
なんだか雰囲気が変わっていたから何で?って聞いたら
髪の毛、って答える。
そういえばソフトアフロになってる。
髪の毛のせいで、輪郭がちょっとふっくら見えて
前よりも子供っぽさが覗くような気がした。

ベイビーフェイスの下に隠してるけど、
諦めと投げやりなかんじが染み出てる。

高校の頃の自分を見ているようで、
どうにも気にかけたくなる。
余計なお世話なのは百も承知だけれど。
"ここではない、どこかへ"想いを馳せながら、
長い間異国の地で暮らす切なさは
私の皮膚の下の細胞一つ一つが記憶していて
そういうサイン出してる細胞と信号を飛ばしあうよう。


「どういうときに泣く?」
「最後に大声で泣いたのいつ?」
って聞いたら、
たっぷり答えに躊躇して
「ストレスが溜まったとき。あんまりないけど。
最後に泣いたのはいつか覚えてない」
って答えた。

ストレスが溜まって泣く男の子は、どのくらいいるんだろう。
どのくらいのストレスが溜まったら、男の子は泣くんだろう。


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この人と姿が重なる友達がいることを思い出した。
6年間デトロイトに住んでいた彼は、GAPとかアバクロの広告から
飛び出してきそうなアメリカっぽさを全身から漂わせていて
その分日本のキャンパスから浮きっぱなしだった。
本人も、それでどーした、という調子で堂々としていたし
「大学に友達いないから」と開き直って言うのが癖みたいだった。
けれど、授業中机の上に頭を乗せて呟いた
「アメリカの大学に行きたかった」
という一言に、私はとてつもない繊細な寂しさを感じ取ってしまった。
朝のNHK衛星放送ニュースで、たまたま映った東京の地元映像を見て
知らないうちにボロボロ泣くくらい、私は日本に帰りたかった。
自分を受け入れてくれるはずの、「本当の場所」に帰りたいという
あの熱い寂しさが、冷たい机を通じて彼から私の体内に戻ってくるみたいだった。

今所属している場所からの疎外感、
自分が異邦人として扱われない「ホーム」への慕情。
けれど、張り裂けるくらいの想いを募らせて、いつか「ホーム」へ戻ってみたところで
見るものは、自分がいなくても当たり前に流れている時間の流れだ。
理想化して、美化した「ホーム」は、一種自分の中で時が止まった桃源郷だが
本当はそんな場所は存在せず、
皆自分なしの生活を何の支障もなく送っている。
一途に想ってきた相手に裏切られるような失望を覚えながら
必死に逆カルチャーショックや時のブランクを埋める努力を繰り返す。

相変わらず頭を机に付けながら、夏にアメリカ行くかも、東部だけど
と言った友達に、なんでー東部だけじゃなくて地元にも戻ってくればいいじゃん、
と返すと、デトロイトには行かない、と言った。
「だって、見ちゃうと余計辛い。」

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ソフトアフロの頭に赤い櫛をグサグサ刺しながら、
帰り道ため息を吐いた彼に、ため息を一つすると幸せが一つ逃げちゃうんだよ、と言ったら
大学入学したばっかの頃は毎日100回くらいため息ついてた、どうしよう、って慌てた。

「逃げた幸せ取り戻す方法ある?」

「多分・・・・笑えばいいんじゃないの?」

そう言ったけど、あんまり効果に自信はなかった。


最後に大笑いしたのはいつ?って聞けなかった。



大西洋を渡って、時間を越えて、言葉を越えて、
遠いアフリカ大陸に、どんな夢を寄せてるんだろう。
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by akkohapp | 2005-07-22 01:17 | 花鳥風月

夏休み始まりの音

ほぼ趣味で唯一マジメに履修してる授業から出てる課題:南北戦争勃発の経緯
・・・について7ページのペーパーを書き上げて
意気揚々と夏休みに突入だぁーーー!
教授のオフィスに寄ったら"Have a nice vacation!"
とかウィンク付きで言われ、こりゃー自動的に雰囲気盛り上がって参ります。。。
大学四年は一年がバカンスみたいなものだから
大した開放感もないけど、夏が始まる!っていう高揚感はやっぱりウレシイ。
考えてみれば人生最後の夏休みになるんだな。

渋谷で用事を済ませて、そのままフラフラとレコード屋巡ってみた。
発掘したのはLil' LouisのFrench Kissアナログ。
最近この人のアルバムをゲットしたばっかりだったので目がキラキラしてしまった。
90年代が産んだ天才の音、問答無用に脳みそが受け入れてしまう。。。
いやそれにしても女喘ぎすぎ。どエロいわー。

更にぃ、Vivian GreenのGotta Go, Gotta Leaveのリミックスが流れてきて
おったまげました。Vivian Greenだとは分からず、店員さんに聞きました。
Vivian Greenて3年くらい前は結構しっとり系R&B/Blues/Jazz路線でしたよねぇ?
オーガニック系というか??それがビフォー・アフターちっくに大変身して
なにやらミョーにセクシーなジャケットで再登場してますが!?
いや、でも外見にお腹いっぱいになってる暇はない、良い!
久しぶりに聞き込むオンナ系音を見つけた気分であります。
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                        これが
                         ↓
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                         ↓
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                       こうなった!
                      あっはーん★



つけたし。
今かかってるNuyorican Soulの音がアツい。
色々ごったまぜにしてできあがった音、これこそニューヨークメイドの音じゃないですか。
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by akkohapp | 2005-07-21 23:11 | Art& Music

BOOK BATON

アキツ姉さまに回していただいたブックバトン、ここ2日ちょぼちょぼと考えてみたものの
本を選ぶって難しい作業だなーと改めて思う次第。
せっかく回していただいたのにあんまり大したモンじゃなくてなんだか申し訳ないですが。
とりあえず。。。


Q1:持っている本の冊数

ううん、今ざっと本棚見たら私の本は200冊強というところ。
転勤族のため、食器と本は極力買わない、が我が家の鉄則。
でも大学に入って教科書購入したりしてるうちに大分増えた。
ジャカルタにいたころは、同じ会社の人たちが日本に帰るために
いらない本を置いてゆく「図書館」があって、赤川次郎もピンク小説も全部そこで読んでた。
置いてゆかれる本たちだから、すごい本はあんまりなかったんだろうけど、
とにかく活字を追うことはずっとしてたような気がする。
窓を閉め切ってエアコンかけて、女中さんが作ってくれたバナナのフライとか食べながら
ソファの上でダラダラと字を追う・・・至福の時間でした。太ったことは言うまでもない。


Q2:今読みかけの本 or 読もうと思っている本


えと・・・期末なもんで。レポートが・・・南北戦争勃発に至る経緯についてあさってまでに
書かないといけないスけど。
それ系の本、5、6冊積読(つんどく)状態です・・・


Q3:最後に買った本(既読、未読問わず)

なんだろー 多分山田詠美のデビュー作
『ベッドタイムアイズ』 (1985)
大学の青空古本フェアで20分で全部立ち読みした上で200円で買った。
(その間蚊にさされた数:4箇所。)
(そしてその日200円が残金の全てだったので、バスに乗れず歩いて帰った。)
荒削りだけど、エイミーエキスがギュギュっと凝縮されててイイと思った。
筆者が主人公とシンクロしてればしてるほど、リアルで、近くて、五感に訴える表現が多い。
この作品では、主人公と男がボイラー室でするときに、
上げた足につけたアンクレットが暗闇にキラキラ光る、
っていう描写が妙に訴えてくるから
きっと著者自身が見た光景なんだろうと思った。
山田詠美作品では、
『トラッシュ』(NYの紀伊国屋で12ドルで買ったわい。文庫本なのに!バカヤロー)
『指の戯れ』あたりが好きかな。。。
って全部黒々系だな。
だってこの辺が一番セクシーだと思うんだもん。


あ、あとラングストン・ヒューズの詩集を買った。
The Collected Poems of Langston Hughes,
Ed. Arnold Rampersad, 1994.)
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結構安かったけど、届いたら超分厚くてびっくりした。
一番有名なのはThe Negro Speaks of Riversだけど、
社会派っぽいかんじの作品のほかにも
単純に地元ハーレムへの愛情や、恋人への気持ちを詠む作品も
優しくて朗らかで好きだな。

Lenox Avenue: Midnight/ Langston Hughes

The rhythm of life
Is a jazz rhythm,
Honey.
The gods are laughing at us.

The broken heart of love,
The weary, weary heart of pain,-
Overtones,
Undertones,
To the rumble of street cars,
To the swish of rain.

Lenox Avenue,
Honey.
Midnihgt,
And the gods are laughing at us.


そだ、あと久しぶりに雑誌買ったんだった。
これがマジで一番最近に買った本かな・・・
LUIRE!!「この夏愛しのニューヨークへ」特集・・・(笑)
そろそろ禁断症状が活性化してきた。
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じゃじゃーん!!!
でも、開いてみたら大したことなかった。。。惜しい。



Q4:特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊(まで)


1.『      』    
一番好きな本、って常によく分からない。
一生出会えないかもしれない。
それでいいんだと思ってる。
・・・なんちゃってカッコイイ??

2.『金閣寺』 三島由紀夫
出征する兵隊に女が自分の乳を飲ませるところとか、すごい。
夏の暑い日に、汗をかきながら一気に読んだ。
このあと『潮騒』『午後の曳航』と続けて読んだような。
ちなみにウチの大学の前にある金○庵という蕎麦屋
(なのに親子丼500円で収入を維持している)で
三島は割腹自殺の直前最後の食事をしたらしい。
最後の蕎麦がもう少しでも美味しければ、
彼はこの世に命を留めたかもしれない。

3.『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ
人とのつながりってなんだろう、と氷のように冷静に、
それと同時に死にたくなるくらい熱狂的に考えてしまう一冊。

4.『キッチン』 吉本ばなな
中学生の頃からかれこれ10年読んでる。
この作品読み返すと「帰って来た~」って思う。
裏面の『ムーンライトシャドウ』も好き。
この頃の吉本ばななの作品は、食べものの味や匂いが強くて好き。
『キッチン』ではカツ丼が超ウマそうだし、
『ムーンライトシャドウ』では、白木のカウンターで食べるかきあげ丼が
これまたたまらない描写。

5.『もう一つの国』 ジェームズ・ボールドウィン
最近久しぶりちゃんと全部読んだ分厚い本。1962年出版。
現在日本語版出版されてない。
大学の地下書庫の奥~~の方でようやく発見した。
ゲイ、バイ、ストレート、カラード、ニューヨーク、ハーレム、
ボールドウィンはきっと優しい人。

6.『錦繍』 宮本輝
大人の恋愛の極地。
究極のラブレター書簡。
電車の中で泣かされた。
10年、20年、同じ人を恋しく想うこと。
確かに錦が織られています。


Q5:もし、またバックパッカーになったら、どの本を一冊だけ持っていくか?

何度も言うけど谷崎の『陰翳礼讃』だと思う。
それか安吾のどれか。
芥川もいいかな。
とにかく純ジャパクラシック系でキメます。
ニューオリーンズからDCまでバス29時間乗ったときは
暇つぶしに俳句を詠んでみたりしたから、案外俵万智とかもいいのかも。




次に回す人。。。特にいないけど
ゲンちゃんあたり書き込んでくれない?
最近面白い本読んだ??私読んでない。
誰か教えて。


これ書くにあたって、母と「何かいい本ないかな~」と話していて
あれでもないこれでもない、ってやっている途中で母がポツリ。
「トシとると目は見えなくなるし、エロいのもグロいのももう読むの嫌になっちゃったし、
良い本なんてここ10年くらい読んでないわよ。」
・・・そうか。そういうもんかもな。
目も見えて感受性元気な今のうちに、エロいものも、グロいものもたくさん読んでおこう。

アキツさーん、回していただいてありがとうございました★★楽しかった~♪
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by akkohapp | 2005-07-19 22:21

富士山登頂 (3)

今思えば、彼らがいなければ私は富士山を登ることなどなかった。
日本人だからこそ、富士山に登る機会をとらえることはなかなか難しい。
日本で一番高いMt.Fujiに登る!という
友達の外国人的モチベーションに押され、勢いに乗って一緒に登ってしまった。
計画が決まったのは土曜日の昼で、その夜には富士山行きのバスに乗っているのだから
ものすごい勢いだ。
でも、バス予約センターに電話して、担当スズオカさんが
「え~と、、、今夜のバスはもう満員ですね~・・・」と言った2秒後に
「あっ!今一名様空きました!キャンセル出ました!」と付け加えたとき、
おお、これはきっと行くべきなんだと思ったから行ってしまった。

勢いまかせの登山ではあったものの、なんとかてっぺんまでたどり着き、
こうして達成感と疲労感にまみれながらブログアップなんてしている。
良い日常からのトリップになった。

正直、登山をしている間友達同士で話す余裕はほぼなかったし
最後の方はもっぱらi-podから流れるU2のボノの声に励まされながら歩みを進めていたくらい
孤独な自分との戦いだった。
大袈裟だが、マジだ。

けれど、頂上にたどり着く一歩前には、遅れている相手を待って一緒にゴールインしたり、
どうしても立ち上がれないと思ったとき、差し出された手に救われたり、
汗臭さなんてモノともせずに、下山を終えた後にしたハグのあったかさに
素直にいいな、と思ったり、
やっぱり一人では絶対にできなかった、富士山登頂。

登山は人生の歩みとよく例えられたりするが、
実際登山の方が絶対に辛い。
少なくとも今日はそう思った。
人生は自分のものだから、限界だって自分で設定できる。
甘えたいときは甘えられて、堕ちる時は勝手に堕ちるまでのこと。
けれど、山は違う。
山はそこにある限り、前に進むしかなく、たとえ自分の限界を超えていようとも
もう帰る!と思っても、下山するまでは決して帰れない。
どんなに辛くても、やめたくても、自分で山を登るなり、下るなりするしかない。
だからこそ、「そこに山がある限り」、人は山を登るのだ。

そこに山がある限り。
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by akkohapp | 2005-07-17 22:27 | 花鳥風月

富士山登頂 (2)

朝は空に濃淡を広げながらやってきた。
群青色の雲が一面に広がり、
その向こう側に黒々とした山脈の影が浮き上がる。
雲の上から、景色を見ることの不思議。
広がる樹海の緑が、色濃さを増してゆく。

けれど、どんな壮絶な景色にも感情の糸が揺れないくらい
体調が悪い。
割れそうに痛い頭を揉みながら、一生懸命に涙を抑えようとするが
眼球の奥からキリを刺されているような痛みに耐えられない。
もともと頭痛持ちの私だが、
こんなところで高山病に大きく影響されてしまうとは悔しかった。

時刻は午前5時。
最後の食事は自宅を出る時につめこんだ
バターロールとバナナだけだ。
寒くて、空腹で、体調が悪いだなんて最悪だ。
山小屋では一つ600円もするカップヌードルが
あちこちで湯気を立てている。
空腹感よりも寒さに我慢できずに、
ついにシーフード味のカップヌードルを買ってしまうが
少しだけすすっただけで全く手を付けられない。

そうこうしているうちに、シャンテルとラーが起きてきて、
それぞれ朝ごはんを食べ始める。
ラオス出身で仏教徒のラーは、食事の後に座禅を組んで
朝の祈りを始めた。
指の組み合わせを次々と変えて、静かに祈っている。
明け方の富士山での祈りは、とても清らかで、美しく見えたから
私も勝手に横に座って、手の平を上に向けて呼吸を繰り返してみたら
ちょっと頭痛が良くなったような気がした。

五時半、レインコートを羽織り、山頂を目指すべく山小屋を出る。
もはや道はなく、前方にいる人々に惰性で続くだけの前進だ。
30メートル歩くだけで息が切れ、本当に歩くことができない。
人間の体の持つ限界が、いかに脆いものであるのか、身をもって感じた。
ラーと励ましあって進むが、休憩を取るたびに二人とも岩の上で眠りに落ちてしまう。
標高3000メートル以上、急斜面の岩の上で、眠りに落ちるその恐怖は
目が覚めるたびに私を襲うけれど、もう自分をコントロールできないくらい
疲労がたまっていた。
横に座るラーも、斜面から転がり落ちるんじゃないかと思うくらい
フネを漕ぐから、落ちないようにずっと彼の服のすそを握っていた。

そんな限界状態を迎えていたのは私達だけではない。
山腹ではあちこちで人々が座り込み、眉間に皺を寄せながら、近く見え
果てしなく遠い山頂を睨んでいた。
カップヌードルを食べられなかったことを後悔することはなかった。
疲労、寝不足、高度という厳しい条件によって胃に受け入れられなかった食べ物が
岩陰に吐しゃ物となって残されているのを多く見たからだ。

今思えば、もう最後の方は眠りに落ちるというよりも気絶に近かったんじゃないかと思う。
座るたびに意識が飛んでいた。
ブラックアウト、そんな言葉が浮かんだ。
ヒューズが飛んで、自分が停電状態になるような、そんな状態で頂上に着いたのは
午前八時を過ぎていた。

写真を笑顔で撮るくらいの達成感はあったものの、
限界をとっくに超越した疲労感と頭痛で凄惨たる状態だった。
400円というある意味破格の缶ココアも、全然飲めない。
火口とグルリと見回し、下山を急ぐ。
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by akkohapp | 2005-07-17 21:58 | 花鳥風月

富士山登頂 (1)

富士山に登ってきた。

五合目でポロっとバスから降ろされ、
そこからは一歩一歩、自分の足で標高3776メートルの頂上を目指す。
登山開始時間午後10時15分。

人間が作った都市で生活していては感じられない
山や地、自然が持つ力の強さが毛穴の一つ一つに染み入るのを感じながら
闇の中を延々と歩く。

左手に感じる果てしない樹海からは、
見えないけれど湧き上がってくる何かの気配が絶えずあって
自分の存在が針の一本よりも頼りなく思える。
闇を進めば進むほど、閉ざされていた自分の感覚が
研ぎ澄まされてくるのが分かる。
光がなくても冴えてくる視界、
3Dみたいに立体的に浮き上がってくる小枝が折れる音、遠くの空で唸る雷。
獣の糞、植物の香りに鼻腔が繊細に反応するようになる。
不思議に、どんなに歩いても喉はなかなか渇かない。

山に登ることは何となく偉大な何かを侵すようで畏怖を感じる。
富士山を登っている間、ずっと畏れを感じていたように思う。

七合目から下を眺めると
人々の持つ明かりが延々と続いているのが見える。
ところどころにある赤い鳥居を挟みながら、その小さな頼りない光が
視界に収まりきれないほど遠くまで点々と伸びてゆく。
イスラム教徒のメッカ巡礼の旅みたい、
そんな風に思うほど、それはとても厳かな光景で
頼りない存在の人間一人一人が、果てしない山腹を
静かに進む姿は、深く強く私の心を打った。


七合目を過ぎると、そんな周囲の様子に心を配っている余裕は全く無くなった。
七月だとういのに、トレーナーの上にジャケットを着込み、レインコートを羽織って
カイロを二個貼りながら前へ前へと進む。
気温は5度というところか。
軍手をはめた両手で、岩を掴みながら、上を目指すが
一つの岩を越えるごとに、心臓が恐ろしいほど早く打つようになるのを感じる。
酸素が薄い。

仲間と声を掛け合いながら、歩みを進めたが、
激しくなってきた雨についぞ足が止まる。
八合目の白雲壮。
午前3時、ご来光までは一時間半。
頂上まではあと4時間はかかるという声に肩がガックリ落ちる。
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by akkohapp | 2005-07-17 21:08 | 花鳥風月

@水槽

大学内で一番高い建物の最上階に登って、窓の淵のところに足を伸ばして座る。
外から見たら、巨大な水槽の底に、一人で座っているように見えるんだろうか。

七月の空は少し靄がかって、遠くが霞んでる。
工事中の近くのビルに張ってある白いシートが、風に大きくはためいて凪る。

ランダム再生していたi-podから、前によく聞いてたあの曲が流れてきたら
やっとやっと涙が出てきた。
泣きたかった、ずっと。

全然熱くない涙は、勝手に皮膚の上を走って、
大好きだったその曲が終わる前に消えた。



「世の中に、異次元空間、ほら、あの映画みたいなマトリックスって存在すると思う?」

「ほとんどの人は、今自分がいる世界が全てだと思ってて、
その中で人生の目的も分からず、どこに向かうかも分からず、
勝手に生きて、勝手に死んで行って、そうやって時間を無駄にしてるけど、
外の世界を知ってる人もちょっとはいて、自分はそういう人たちに会ったことある。」

「キミはマトリックスの内側にいる人?外側にいる人?
人生のこと、どうやって見てる?」


ポカーンとする私に、そんなこと言ってた。

でも、今朝、9歳の妹が飼ってるミドリガメのちーちゃんが
狭い水槽の隅で、ガラスに反射する自分の姿を見ながら
ガシガシガシガシ砂利をかき分けて、ガラスの外に出ようと
不毛な努力を続ける様を見て、思ったんだ。

彼が言ってたマトリックスって、これか?

水槽という全ての世界観、水槽の外に存在する世界観、

私はどこまで見えてるんだろう。
水槽の壁はどこだろう。









うーん、暇哲学爆発だな。
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by akkohapp | 2005-07-15 23:01 | 花鳥風月

for my well-being

"So what happened?"

ミサの最中、キリスト教徒でもないのに
あまりにも真剣に聖書を眺めている私を見かねて
友達が心配するくらい、おかしな様子だったんだと思う。

ここんとこ、ずっと調子悪い。
自分の中のコンパスの針がユラユラ揺れて、
どんな判断をすべきなのかよくわからない。
だからブログも書けないままです。

ステレオの前に座って、
何度も音楽に心を委ねてみたけど
どんなlove songにもcheatingの影を感じたりして
全然あったかい気持ちになれない。
音楽を受け入れられないくらい、ガサガサした感性抱えてちゃ
なんも良いもの出てこないわぃ。

"You deserve much better"

Aretha Franklinの"Respect"なんて歌ってくれちゃう。
ありがとう・・・

自分が心地よいと思えるところにいつも自分置いておかないとね・・・

わかってるけど、理性と感情の葛藤はなかなか尽きなかったりして。
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by akkohapp | 2005-07-11 01:03 | 花鳥風月