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録。


by akkohapp
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back to my country

11月18日

ガルーダ機の丸い窓から、優しいピンク色の光が座席までいっぱいに届く。
期待が大きく傾くと、窓の外で青い波が揺れているのが見えた。
5年。
この国で中学から高校まで過ごした以上の時間を、
いつの間にか日本で、アメリカで送り
またここに戻ってきた。
妹や友達が多く言うほど、またここに戻ってきたいと思っていたわけではないけれど
時々延々と伸びる時間軸をふと振り返ると、自分を育ててくれたこの国に
想いが舞い戻った。

まさに学園天国だった日本人学校で過ごした甘い時間。
JISに通ったあの二年半。
今思えば、これが私ですと今堂々と外側に公言できる要素のうち
とても大きなパーツを作ってくれたのが、インドネシアだった。
あの時間があったからこそ、会えた人たちがいる。
つながった人たちがいる。

機体はスムーズにデンパサールの滑走路にすべりこんだ。
何も変わらないインドネシアの色をした空、雲の模様、
椰子の木の茂り方、赤土の屋根、島、それを囲む海。
子供の頃から馴染みのある白い花が咲いている。

聞く音楽も、今回一緒にこの地の土を踏む友達も、一人になったときに思い浮かべる人も
五年前には出逢ってもいなかった。
それでも、こうして元々のものと、新しいものを両方詰め込んで、
私はここに戻ってきた。
そんな風に、自分さえも想像しなかった人生の線を、
私が自由な方向に描き続けていた5年の間も、
インドネシアはそのなだからな輪郭と、大らかな優しさを何一つ変えずに
ここにいてくれたのだと思うと、
忘れかけていたくらい自然に、私はこの国を愛していたのだし、
この国の優しい人たちに愛をもらって育ってきたのだと気付く。

プラプラとしながらヒマそうに店番をする売り子たち、
平気で遅れる飛行機、
デンパサール飛行場の中を一歩一歩歩くたびに
ものすごいスピードでこの国の空気の中での呼吸の仕方を思い出した。



ただいま。久しぶり。

また迎えてくれて、ありがとう。
by akkohapp | 2005-12-30 12:08 | 大切な人