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Seize the Day


彼女がこの世から去って、明後日で一ヶ月となる。
緩々とそれぞれの人生を流れていたはずの時間が、
死というポイントを経過してから突然意味を持ち始めるだなんて
悲しすぎる皮肉だと思う。

中学を卒業して以来、彼女とは会っていなかった。
けれど、そうしてかつて交わった直線が、時間の経過と共に
離れ離れになってゆき、そしてまたいつか一点で重なることが人生というもので
事実、そうした出会いと別れ、そして再会を当たり前のように繰り返してきた。
だから、彼女とも又そうして当たり前に再会できることを固く信じていた。

なのに。
こんなことって、あるんだろうか。
別のところで、健やかに伸びていると信じていた彼女の命の線。
突然プッツリと途切れてしまった、なんて言われてもとても信じられない。

いつも甘い声で体を寄せてきて、フワフワの猫みたいな子だった。
ときどき見せるヘロっとした顔がかわいかった。
掌なんか子供みたいに白くて柔らかくて、笑うとそばかすが顔にはじけた。



中学二年生の放課後。
13歳だった私は、生まれて初めて男の子と付き合うことになったニュースを
興奮とムズムズする嬉しさを抑えて彼女に一番最初に打ち明けた。
その後、あの可愛らしい声で、「よかったねぇ」って言ってくれたのを聞いて
突然胸が張るみたいな緊張と興奮が解けて、
この子に最初に打ち明けてよかった、と思ったことをすごく覚えている。
8年後、付き合ったその彼は、私の隣で無心に数珠をなぞっていた、彼女のために。

覚えている絵は、数珠を回す彼の指と、涙をふいたハンカチの白、
そして、抜けるような青空。


黒いリボンに囲まれた写真は、誰か知らないお姉さんみたいだったけれど
白い箱の中で花に囲まれた彼女は、やっぱり私の知ってる彼女だった。
手をつなげなくて、ごめんね。
行くのが遅くなって、ごめんね。
電話をしなくて、ごめんね。


おととい、駅に向かう途中で携帯のアドレス帳をスクロールしていたら
持ってないと思っていた彼女の番号がしっかり登録されていたことに気がついた。

もう決してつながらない番号、それは今も私の携帯の中にある。



それでも私たちは生きてゆくよ。
楽しいことも、悲しいこともあるけど、明日を迎えるよ。
ありがとう、大切なものにもう一度逢わせてくれてありがとう。

ありがとう。
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by akkohapp | 2004-12-18 01:46 | 大切な人